発売から3日間で世界累計販売本数1000万本を達成したNintendo Switch用ソフト「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」。前作から6年、ヒット確実と見込まれていたものの、その勢いはすさまじい。その人気の理由は何か。ゲームライターの野安ゆきおが分析する。 前作のBotWが世界中のゲームユーザーに評価された最大の理由は、これが「何でもできる」ゲームだったことにある。そして、ゲーム内に広がる広大な世界に存在するものにはすべて意味があった。 例えば、生えている木々は単なる風景でもなければ障害物でもない。プレーヤーはそれを自由に切り倒せる。切り倒した木々は丸太となり、その丸太を転がせば坂の下にいる魔物をたたきつぶせる。あるいは丸太を切って薪とし、その薪に火をつける。火は周囲の草に燃え広がって、上昇気流を発生させる。主人公はその気流に乗って高く舞い上がり、風下へと燃え広がっていく炎が魔物を焼き尽くすのを眺めることもできる。プレーヤーが何でもできるだけでなく、その行動が自然現象や物理現象によって周囲のあらゆるものに影響し、ゲーム攻略につながっていく――そんな世界が用意されていたのだ。 続編となるTotKでは、そこに「くっつける」という遊びが付加された。武器や防具、魔物が落とすアイテム、さらには鉱物、丸太、木の枝、地面に落ちている岩に至るまで、プレーヤーは世界にあるあらゆるものをくっつけて、新しいものを生み出せるのだ。 これによって楽しさは数倍に広がった。河を渡りたい? だったら数本の丸太をくっつけて筏(いかだ)を作ればいい。そこに扇風機(風を作るアイテム)をくっつければモーターボートになる。手元に扇風機がない? ならば筏に大きなタイヤを付け、それに板をくっつけて回転させれば外輪船が作れる。いっそ大量の丸太をつないで長い棒を作り、それを橋にしてもいい。このゲームには製作者が用意した正解は存在しない。目の前の問題を解決する方法は、プレーヤーが自由に生み出していいのだ。 世界にあるあらゆるものをくっつけられる。試しに丸太をくっつけてみよう。筏ができるはず世界にあるあらゆるものをくっつけられる。試しに丸太をくっつけてみよう。筏ができるはず[画像のクリックで拡大表示] 筏に扇風機をくっつければ、簡易的なモーターボートが作り出せる。これで川を渡れるのだ筏に扇風機をくっつければ、簡易的なモーターボートが作り出せる。これで川を渡れるのだ[画像のクリックで拡大表示] 試しにSNSを「ティアキン」(TotKの略称)というワードで検索してみてほしい。バギーを作ってフィールドを駆け抜けたり、ドローンで空を舞ったりと、アイデアにあふれた攻略動画が見られるはずだ。爆撃機を作ったり、大砲を積んだ重戦車を作るプレーヤーもいれば、それに「自動的に敵をロックオンする」アイテムを組み合わせて、強烈な兵器を作り、魔物をせん滅していく動画すら上がっている。 この圧倒的な自由度がTotKのすごさだ。同時にこれはゲーム初心者への配慮になっていることも筆者は力説しておきたい。一般的なゲームは操作が上達しなければクリアできない作りが多いが、TotKは違う。腕に自信がなくとも、ひらめきと発想でそれを乗り越え、攻略できるのだ。 この記事は会員限定(無料)です。 今すぐ続きを読む会員登録(無料)会員の方はこちらログイン登録会員のご案内 日経クロストレンドの会員特典とは? 消費動向や技術トレンドを読む上で注目の発表会や、業界で話題のトピックをいち早くカバーしていく。