任天堂ファンたちが待ち焦がれた「ゼルダの伝説」の新作は、冒険の感動を与えてくれた前作のよさをすべて引き継いだ上で、細かい要素をさらに洗練させている。プレイしていると、懐かしの土地に戻ってきたような気分になる作品だ。 本作の物語はゼルダとリンクが魔獣ガノンを倒した数年後から始まる。ふたりは松明を持ってハイラル城の地下に広がる岩だらけの洞窟を探索しているうちにとある壁画を発見し、その昔ハイラル族とゾナウ族が古代文明(前作でも言及されていた)を築いていたことを知る。彼らはかつて魔王と呼ばれた存在(もちろんあいつのことだ)と戦いを繰り広げていた……。 ふたりは洞窟の奥深くで、不気味に生き生きとした赤髪のゾンビに遭遇する。この不思議な存在を目覚めさせてしまったことにより巨大な爆発が起こり、リンクはハイラル城ごと天空に打ち上げられ、ゼルダと離れ離れになると同時にMAXまであった体力を失ってしまう。天空に浮かぶ島々のひとつで目を覚ますと、リンクは自分の右腕が何者かによって改造されており、新たに黒い爪が備わっていることに気づく。 前作の広大な大地のフィールドを引き継ぎながら、本作にはその上空に広がる天空のフィールドが追加されている。チュートリアルの島をクリアすると雲が晴れ、リンクは空を飛び回れるようになる。どこにスカイダイブしたっていいのだ。これまでの「ゼルダの伝説」ゲーム同様、そこかしこから宮崎駿監督の影響が見てとれるが、本作には特に宮崎監督の飛翔への憧れが反映されているのだろうか。前作ではシーカータワーを登ってシーカーストーンをかざすことでマップ情報を入手したが、本作ではシーカーストーンとともに空高く飛び上がって位置を確認することができる。 「ブレス オブ ザ ワイルド」で覚えた一番の感情が新たな土地を探検するゾクゾクするような感動だったとすれば、今作で覚えるのは懐かしの土地に戻ってきた染みるような感動──長旅の後に実家に戻ってみたら、その間に家族が家をリノベーションして(おまけに“翼”をつけて)いたような感覚だ。基本的なマップは前作から変わっていないが、時を経てハイラルのあちこちが変わっている。カカリコ村は廃墟と化し、デスマウンテンは鉱山会社に占拠され、祠は天に飛ばされ、地下には網目のような洞窟が広がっている。