任天堂が、人気シリーズ「ゼルダの伝説」の実写映画化を進めている。リンクがハイラルからハリウッドに進出するのだ。これは同社が長期的に目指す方向に沿った動きである。

「ゼルダの伝説」は、任天堂の最も古く、最も愛されているゲームシリーズのひとつだ。リンクという名の寡黙で風変わりなヒーローが、ゼルダ姫の助けを借りて悪の勢力(たいていはガノンまたはガノンドロフという不届き者)と対峙する。

「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」は前作を“進化”させ、さらなる高みへと押し上げている:ゲームレビューBy Will Bedingfield

『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は、任天堂の思惑通りに“いまの子どもたち”を夢中にする:映画レビューBy Will Bedingfield

『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は、ゲームで遊んでいるような感覚で楽しめる:映画レビューBy Angela Watercutter

同社は1986年にシリーズ最初のゲームを発売して以来、最新作の「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」をはじめ、数十作品をリリースしてきた。「ゼルダ」は任天堂の大ヒット作のひとつであり、毎回大きな期待を集め、商業的にも成功を収めてきた。「ティアーズ オブ ザ キングダム」は今年5月から1,950万本の販売を記録している。

より大きなエンターテインメントの世界へと事業の拡大を図る一環として、任天堂はこのシリーズの映画化に賭けている。同社は今年『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』で大成功を収め、最終的には『アナと雪の女王』を上回るアニメ映画史上第2位となる興行収入を記録した。

美しいアニメーションの『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』には、クリス・プラットやジャック・ブラックなどのスターが参加した上に、さらに信じられないほど訴求力のあるコマーシャルもつくられた。「THE LAST OF US」のようなよりダークな内容の作品と並んで、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は、ビデオゲームシリーズの映画化が世の中の最悪のアイデアではないことを証明したのだ。

加速するビデオゲームの映画化

10月に、米国任天堂のダグ・バウザー代表取締役が『WIRED』に対し、マリオ映画の成功は、自社のIPに別の媒体で新たな命を吹き込む能力が任天堂にはある証拠だと語った。ゼルダの映画制作を進めようとしていることはつまり、マリオのような成功が一度限りではないことを証明したいと同社が考えていることの表れである。

ビデオゲーム業界は長年にわたり、映画やテレビのプロジェクトに力を入れてきた。この間、『サイレントヒル』、『バイオハザード』、『アサシン クリード』などの評価がいまいちな作品から、『ブラッドレイン』、『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』、『プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂』など、さらに不評だった作品もつくられてきた。一方で、ときには「THE LAST OF US」、『ソニック・ザ・ムービー』、『名探偵ピカチュウ』など、驚くほど素晴らしい作品も世に送り出された。

長きにわたる失敗の歴史をよそに、スタジオは優れたビデオゲームの映画化の方法を解明したようで、観客はいつもそれらを求めて集まっている。しかし、任天堂は用心深く進めているようだ。「ゼルダ」の生みの親である任天堂代表取締役フェローの宮本茂は11月8日、『スパイダーマン』、『アンチャーテッド」、『モービウス』などの映画を手がけたプロデューサーのアヴィ・アラッドとともに「ゼルダの伝説の実写映画に何年も取り組んでいる」と述べている。

任天堂は「制作に深く関わっている」

宮本は任天堂が「制作に深く関わっている」とした上で、どの俳優がリンク役を演じるかといった重要な情報はまだ不明だが、任天堂が長編映画に多額の投資をしていることは明らかだと伝えた。